●一日一問●


4日間で、財表短答、財表論文、監査短答、監査論文を1回転します。

・無料なので、誰もが参加できます。

・1回転(4日間)で、次のページに更新しますが、その問題と解答はPDFで後から見られるようにします。

 ・一日一問の短答問題は、自己診断テスト短答式と同様に行います。

Aタイプ
基本的で典型的な知識問題
(問1~問5)
Bタイプ
応用的で思考力型の問題
(問6~問10)
Cタイプ
本試験的な現場対応力型の問題
(問11~問15)
Dタイプ
短答式の本試験問題
(問16~問20)

 ・例えば、財表の短答式ならば、問1~問5を解き終えたときに、基本的・典型的な知識問題については、どの程度今より実力がアップしたのかが解るということです。

・お手数ですが、解いた後に、自分の得点をメモ書きしておいてください。 

・論文式受験者も、是非、短答式問題にチャレンジしてください。論文問題を解くヒントがいっぱい含まれています。また、自分のタイプを識別したり、実力の向上を確認する手段にもなります。

・一日一問の論文問題は、自己診断テスト論文式と同様に行います。

Aタイプ
基本的で典型的な知識問題
(問1~問5)
Bタイプ
応用的で思考力型の問題
(問6~問10)
Cタイプ
本試験的な現場対応力型の問題(奥はさほど深くない)
(問11~問15)
Dタイプ
本試験的な現場対応力型の問題(奥が深い)
(問16~問18)
Eタイプ
論文式の本試験問題
(問19~問20)

短答式受験者も、是非、論文式問題にチャレンジしてください。現時点でどれだけ対応できるかを知ることは、将来の論文式の学習に間違いなく役立ちます。また、自分のタイプを識別する手段にもなります。 


■過去の一日一問

一日一問その1(9月8日~12日)はこちらから(スマホ可能)

 

【財表・短答・問題・問2(Aタイプ)】
【概念フレームワークから出題】 
(9月16日出題)

購買市場で成立している価格を再調達原価といい、売却市場で成立している価格を正味売却価額という。棚卸資産を期末時点の再調達原価で測定する場合には、投資の清算・再投資が妥当するが、棚卸資産を売却予想時点の正味売却価額で測定する場合には、投資の継続が妥当する。ただし、いずれで棚卸資産を測定しても、取得原価基準の適用であることには違いがない。

(注)論文受験生は、○か×という結果だけでなく、その理由も考えてみてください。

 

【財表・短答・解答・問2(Aタイプ)】
(9月16日出題)
<本試験的重要性:高い>

解答 
×(理由は、解説を参照)

配点
1点

解説
「ただし、いずれで棚卸資産を測定しても、取得原価基準の適用であることには違いがない。」という本問の後半の記述は誤っている。棚卸資産を再調達原価で測定した場合には時価基準の適用だが、正味売却価額で測定した場合には取得原価基準の適用だからである。

棚卸資産基準の前提にある概念フレームワークによると、取得原価基準とは投下資本のうち回収可能な金額を意味するが、その金額は原始取得原価に基づいた金額であり、測定属性は取得時点の金額を表すことになる。

売却予想時点の正味売却価額で測定した金額は、投投資の継続の下、投下資本のうち回収可能な金額であり、その測定属性は取得時の金額なので、取得原価基準の適用である。これに対し、決算時点の再調達原価で測定した金額は、投資の清算・再投資の下、原始投下資本額ではなく再投資額であり、その測定属性は取得時ではなく決算日時点である。したがって、再調達原価による測定は、時価基準の適用なのである。

出題意図 
投資の継続の下、売却予想時点の正味売却価額で測定した金額は取得原価基準の適用ですが、投資の清算・再投資の下、決算時点の再調達原価で測定した金額は時価基準の適用です。取得原価基準と時価基準では、想定される投資の行動が違い、投資額の意味が異なり、測定属性も相違するのです。この概念は、本試験では短答・論文問わず、繰り返し出題される概念ですので、しっかり押さえておいてください。


【財表・論文・問題・問2(Aタイプ)】
【棚卸資産・固定資産から出題】 
(9月18日出題)

棚卸資産や固定資産は、収益性が低下していない場合には、原始取得原価に基づいて貸借対照表価額が決定されるが、収益性が低下した場合には、回収不能な損失を除いた金額で評価される。それらの理由を、取得原価基準の本質と資産性の存在の観点から説明しなさい。(8行)
 

【財表・論文・解答・問2(Aタイプ)】
(9月18日出題)
<本試験的重要性:高い>

解答 
取得原価基準とは、投下資本のうち回収可能な金額で評価することであり、資産性の存在とは、経済的資源の存在するものだけが資産の定義を満たすことである。

収益性が低下している場合には、資産に投下した資本の一部だけが将来の収益により回収されることが予定されているので、投下資本のうち回収不能な損失を除き回収可能な金額で評価することは、取得原価基準の本質に整合する。

また、この場合、損益計算書に計上した損失は将来のキャッシュで回収できず資産性が存在しないが、貸借対照表に計上した金額は将来のキャッシュで回収すること予定されており、資産の定義を満たすことになる。

配点5点
・取得原価基準の本質と資産性の存在の意味:1点
・収益性が低下した場合の取得原価基準の本質からの説明:2点
・資産性の存在からの説明:2点

解説 
取得原価基準の本質については、伝統的な会計基準である企業会計原則のように原始取得原価で評価し続けることと解する見解があるが、この見解では、収益性が低下した場合でも評価損を計上することなく、原始取得原価で評価し続けることになる。企業会計原則ではこれを原価法と呼んでいた。

これに対して、概念フレームワークを頂点とした最新基準では、取得原価基準の本質は投下資本のうち回収可能な金額で評価することと解する見解に変更し、収益性が低下した場合には評価損を計上し、原始取得原価から回収不能な損失を控除した金額により貸借対照表価額を決定することとした。また、このような新しい取得原価基準の上位概念には、経済的資源の存在するものだけが資産の定義を満たすという資産性の存在がある。以下、この見解を説明してみる。

新しい取得原価基準によると、収益性が低下していない場合には、資産に投下した資本の全てが将来の収益により回収されるので、原始取得原価に基づいて評価することは取得原価基準の本質に整合することになる。また、この場合、貸借対照表に計上した金額は全て、将来キャッシュにより回収されると期待されるので経済的資源が存在し、資産の定義を満たすことになる。

逆に、収益性が低下している場合には、資産に投下した資本の一部だけが将来の収益により回収されるので、投下資本のうち回収不能な損失を除き回収可能な金額で評価することは、取得原価基準の本質に整合することになる。また、この場合、損益計算書に計上した損失は将来のキャッシュで回収できず資産性が存在しないものだが、貸借対照表に計上した金額は将来のキャッシュで回収すること予定されており、資産の定義を満たすことになる。

以上、新しい取得原価基準の上位概念には、資産性の存在がある。


 ≪取得原価基準と資産性の存在との関係≫

(概フレの中位概念)  
資産性の存在
=経済的資源の存在。
 ↓(ブレークダウン)
(概フレの下位概念)  
取得原価基準の本質
=投下資本のうち回収不能な損失を除き、回収可能な金額で評価すること。 

出題意図 
企業会計原則では、資産の定義が明確にされておらず、このため資産の評価基準である取得原価基準と資産の存在には、特に繋がりはありませんでした。

しかし、概念フレームワークでは、次のように上下の階層を明確にしました。

最上位:財務報告の目的
上位:会計情報の質的特性
中位:財務諸表の構成要素(資産の定義はこれに含まれる)
下位:認識と測定(取得原価基準はこれに含まれる)

したがって、資産の評価基準である取得原価基準の上位概念には、資産性の存在があるのです。

この概念フレームワークを頂点とした最新基準(例 棚卸資産基準、事業用固定資産の減損基準)では、取得原価基準の本質は、投下資本のうち回収可能な金額とし、資産性の存在は、経済的資源の存在とみて、この視点に立って収益性が低下した時の会計処理を理論的に整備したのです。

本問は、このような概念フレームワークと最新基準の繋がりの一例として、資産性の存在と取得原価基準の本質を問うてみました。

 

【監査・短答・問題・問2(Aタイプ)】
【財務諸表監査総論から出題】
 (9月20日出題)

監査人の業務は、公認会計士法第2条に定められている。第2条には第1項業務(監査証明業務)と第2項業務(財務書類の調製業務等)がある。監査人の機能のうち批判機能は第1項業務に含まれ、指導機能は第2項業務に含まれると解されている。

(注)論文受験生は、○か×という結果だけでなく、その理由も考えてみてください。

 

【監査・短答・解答・問2(Aタイプ)】
(9月20日出題)
<本試験的重要性:高い>

解答
×(理由は、解説を参照)

配点
1点

解説 
「監査人の機能のうち批判機能は第1項業務に含まれ、指導機能は第2項業務に含まれると解されている。」という本問の後半の記述は誤っている。指導機能は第1項業務に含まれるのであり、これは第2項業務の適用ではないからである。

第1項業務(監査証明業務)は公認会計士・監査法人が行わなければならない業務であるが、これは経営者・監査人・財務諸表利用者という3者関係を前提として、財務諸表利用者の保護のために行う業務である。この業務には、財務諸表の信頼性を保証するうえで、財務諸表に重要な虚偽の表示が存在するのかどうかを明らかにするために必要となる批判機能が含まれることは当然である。

問題は指導機能の位置づけであるが、第1項業務の目的である財務諸表利用者の保護を図るためには、財務諸表の信頼性を保証するだけでなく、適正なディスクロージャーを確保することも含まれると解される。適正なディスクロージャーを確保するためには、監査の過程で財務諸表の重要な虚偽の表示を発見したならば、これを経営者に報告し訂正を求めることが必要となるが、これは指導機能の発揮により可能となる。

このように、第1項業務(監査証明業務)には財務諸表の信頼性を保証するという第1義的な業務以外に、適正なディスクロージャーを確保するという第2義的な業務も含まれ、第1義的な業務のためには批判機能が必要となり、第2義的な業務のためには指導機能が必要となる

通説的な解釈(これは公認会計士協会の見解でもあるが)として、批判機能は第1項業務において本来的な業務であり、指導機能は第1項業務において付随的な業務であるといわれる。

出題意図 
監査人の2つの機能と、公認会計士法第2条における2つの業務との関係に関する問題です。受験生が誤りやすい論点として、「批判機能は第1項業務に含まれ、指導機能は第2項業務に含まれる。」という誤解です。

第1項業務は経営者・監査人・財務諸表利用者の3者を前提に、財務諸表利用者の保護を目的とした保証業務です。この保証業務には、重要な虚偽の表示を批判的に発見することが含まれるだけでなく、発見した虚偽の表示を経営者に報告し訂正を求める事も含まれます。したがって、批判機能だけでなく、指導機能も第1項業務に含まれるのです。

これに対して、第2項業務は経営者と監査人だけの2者を前提としたもので、監査人が経営者にサービスの提供を行うことが目的であり、非保証業務に当たります。批判機能だけでなく指導機能も、3者関係を前提に財務諸表利用者の保護を目的に行う点で共通するものがありますが、第2項業務はこのような財務諸表利用者のために行われる業務ではないのです。

このように、指導機能は第1項業務に含まれますが、2者関係を前提に経営者のために行われるコンサルティング業務は第2項業務に含まれるものであり、指導機能とコンサルティング業務は全く異なる業務に当たることになります。

受験生のなかには、指導機能とコンサルティング業務を類似するものと勘違いしている方がいますが、両者は全く異なりますので、気をつけてください。

≪まとめ≫  

公認会計士法第2条
・第1項業務(監査証明業務)
⇒批判機能だけでなく指導機能も含む。

・第2項業務(財務書類の調製業務)
⇒この代表はコンサルティング業務。 

  

【監査・論文・問題・問2(Aタイプ)】
【財務諸表監査総論から出題】
 (9月22日出題)

財務諸表監査の前提にはニ重責任の原則があるといわれるが、財務諸表作成責任が何故、経営者にあり、監査人にはないのかについて、主たる理由と副次的理由を述べなさい。(12行)
 

【監査・論文・解答・問2(Aタイプ)】
(9月22日出題)
<本試験的重要性:高い>

解答 
財務諸表作成責任が経営者にある主たる理由は、経営者には受託責任を果たすために会計報告する責任があるからである。投資者から資金を調達した事に伴い経営者には委託された資金を管理・運用し、この結果を投資者に報告する責任(会計責任)が生ずる。この会計責任を果たすためには、経営者が資金の管理運用結果を財務諸表に表示して投資者に報告しなければならないのである。監査人は投資者から資金の委託を受ける立場にない以上、会計報告する責任もない。

財務諸表作成責任が経営者にある副次的理由は、企業を最も知り、コントロールできる立場にあるのは経営者だからである。適正な財務諸表を作成するためには、会計上の見積もりや会計方針の選択・適用を行う必要があるが、これは企業の状況を熟知した経営者でなければできない。また、財務諸表の作成は適切に構築維持された内部統制により行われるが、内部統制の整備運用責任者は経営者である。監査人は、企業を熟知する立場でも内部統制の責任者でもないので、財務諸表作成責任者にはなりえない。
 

配点4点
会計報告責任:2点 
企業を熟知しているもの:1点
内部統制の責任者:1点

解説 
監査の前提には、ニ重責任の原則がある。」という根本原理は、監査論では絶対的真実であり、現時点で、これを否定する考えは一切認められていない。では、何故、財務諸表作成責任が経営者にのみあり、監査人にはないのかが本問では問われている。

経営者にのみ財務諸表作成責任がある主たる理由は、エイジェンシー理論にある。これは、株主などから資金の提供を受けたものは、委託された資金を管理・運用する責任(受託責任)が生じ、この責任は、資金の管理運用結果を株主などに報告する(会計報告)することにより解除されるという考え方である。監査人は資金の受託者ではない以上、受託責任や会計報告責任は生じないので、財務諸表作成責任は監査人にはないことになる。

経営者にのみ財務諸表作成責任がある副次的理由は、企業を最も知り、コントロールできる立場にあるのが経営者だからである。適正な財務諸表を作成するためには、会計上の見積もりや会計方針の選択適用を適切に行うことが出来なければならないが、適切な会計上の見積もりや会計方針の選択適用は企業を熟知した者にしかできない。また、実際の財務諸表の作成は内部統制により行われるが、内部統制の整備運用に関する最終責任者は経営者である監査人は会計監査の専門家ではあるが、企業を熟知する立場や内部統制を構築維持する立場にはないので、財務諸表作成責任は監査人にはないのである。

出題意図 
ニ重責任の原則の根底にある理論は、近年の論文式士試験の第1問では問われやすい概念です。ご存じのように、最近の論文式試験では第1問で「概念問題」が出題されており、例えば、次のような概念が近年出題されております。

・ニ重責任の原則
・監査の固有の限界
・精神的独立性と外観的独立性
・職業的懐疑と正当な注意
・財務諸表監査の必要性
・監査報告書の本質 
・その他

このように、第1問では、本問のような概念に関する問題の重要性が高いことは理解して頂けたと思います。

ニ重責任の原則のうち、経営者にのみ財務諸表作成責任があるという概念は、本問のような受託責任の解除と会計報告の必要性として出題されます。また、この概念は、「内部統制報告の場合には、経営者は自分の会社の内部統制が有効でないと主張できるのに、財務報告の場合には、自分の会社の財務諸表が適正でないと主張することは何故できないのか。」といった論点とも結びついていきます(注)。

多方面に広がる可能性のある概念ですので、しっかりと押さえておいてほしく思います。

(注)適正でない財務諸表の作成が認められないのは、重要な虚偽の表示のある財務諸表を作成することは受託責任と会計責任を果たすことにならないからです。
 

≪まとめ≫ 
 

○ニ重責任の原則のうち経営者にのみ財務諸表作成責任が生ずる理由○

・主たる理由 
⇒経営者には受託責任と会計責任を果たす義務があるから。

・副次的理由 
⇒企業を熟知し、内部統制を構築維持した者が、財務諸表作成者として最も適任だから。 




 

 
 
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