●論文合格のコツ● 
 シリーズその2
<本試験で問われている概念第>
(第1回)



・論文式試験・財務諸表論・監査論の合格のコツをいろんな角度から見ていきます。

・シリーズその2は、過去の本試験では、どのような概念が出題されていたのかを確認します。

・論文式試験では、過去に出題された同一概念を、題材を変えたり、同じ題材をそのまま使用したりして出題することがあります。年度により異なりますが、概ね4割~6割はこのタイプに属します。
       

・なお、このページは不定期で更新します。


≪財務諸表論の本試験分析と問われている概念≫

財務諸表論の配点は、財務会計論200点満点のうち140点~150点もあり、出来不出来の差が大きいため、「財表を制する者は論文式本試験を制す。」とも呼ばれます。財表を是非、得意科目にし、論文式試験では財表でしっかりと貯金をしたいですね!!

(注)青文字は問われている概念です。
  

<第3問の問2分析>(基本的・知識型タイプの問題)

例年、第3問の問2では、①制度趣旨を中心とした問題と、②基本的な概念を中心とした問題が問われる傾向にあります。

①のタイプの問題例(制度趣旨を中心とした問題)
・資産除去債務の資産負債両建法の考え方(資産・負債概念

・自己株式を株主資本から控除する理由(資産・資本概念

・自己株式処分費用の処理と論拠(資本取引でなく損益取引

・株主資本と評価・換算差額等を区別する理由(想定する資本主は誰か

②のタイプの問題例(基本的な概念を中心とした問題)
・在外企業体の換算(本国主義と現地主義という概念

・ファイナンス・リースの測定(金融取引と事業取引という2取引概念

・のれんを償却しない問題点(財務報告目的・表現の忠実性という概念

・退職給付債務の年金資産の処理(資産・負債概念

なお、①のタイプの問題は、制度趣旨としてどのような概念が存在するのかをきいている問題ともいえますので、①のタイプは②のタイプの一種ということが出来ます。 
<第4問分析>(応用力・思考力タイプの問題)

第4問では、もっとも得点差が付く問題が出題されています。例年、第4問では、①国際的な会計と我が国の会計との違いは何か、②会計基準や会計処理の根底にある考えを概念フレームワークにまで遡るとどうなるのかが問われる傾向にあります。

①のタイプの問題例(国際的な会計と我が国の会計)
・自己創設のれんの測定方法(利用価値と取得原価の資産価値の違い

・子会社の債務超過の取り扱い(会社説と経済的単一体説の違い

・繰延ヘッジ会計と時価ヘッジ会計(実現基準とヘッジの効果の違い
  
②のタイプの問題例(会計基準を概フレまで遡る)
・テンポラル法の測定属性(時価基準と取得原価基準の測定属性の違い、投資の清算・再投資は時価基準、投資の継続は取得原価基準

・自己創設のれんの長短(意思決定関連性は○、信頼性は×

・開発費の資産計上の可否(資産の定義と資産の認識要件

・リース会計の比較可能性(比較可能性の前提には表現の忠実性がある

・ソフトウェアとストック・オプション(リスクからの解放の違い

・退職給付の利息費用と期待運用収益を相殺しない考えの根底にある概念 (退職給付を資金の調達と資産への投資の2取引に分ける

・セール・アンド・リースバック取引(2取引と1取引の違い、投資の継続と投資の清算・再投資の違い、投資のリスクからの解放の違い

・キャッシュ・フロー見積法(市場平均の期待価値を反映した割引価値と報告主体の主観的価値を反映した割引価値の差は信用リスク

・転リースの処理(実質的に1取引と見る

・事業分離の分離元企業の処理(資の継続と投資の清算・再投資

・信用リスクを考慮していない割引価値と信用リスクを考慮した割引価値の差額(市場平均の期待価値を反映した割引価値と報告主体の主観的価値を反映した割引価値の差は信用リスク

なお、①のタイプの問題は、わが国と海外で重視する概念の違いをきいている問題ともいえますので、①のタイプは②のタイプの一種ということが出来ます。
<第5問分析>(簿記と財表の融合問題)

第5問では、例年、簿記的な計算問題と財表的な記述問題を融合した問題が出題されています。ただ、簿記の計算問題が解けないと財表の問題も解けないという問題は出題されておらず、むしろ簿記と財表は独立して別々に出題されていますので、あまり融合問題ということを意識する必要はないでしょう。
 
第5問は簿記と財表の融合問題ということもあり、まず会計処理があって、その会計処理の前提にどのような考え方(概念)があるのかと聞いてくる問題がほとんどです。内容的には、第3問や第4問と大きな違いはなく、特に第5問という意識は無くてもかまわないでしょう。ただ、第3問のような基本的問題よりも、第4問のような応用力・思考力型の問題の方が多い傾向にあります。

■基本的・知識型タイプの問題例■
・親会社説と経済的単一体説の情報の提供先と企業利益の帰属者(それぞれの想定する資本主の違い

・企業会計原則と概フレの違い(帰納法と演繹法の違い

・収益性が低下した場合の評価切り下げの根拠(概フレが想定する取得原価基準は投資原価のうち回収可能な金額を繰り越すこと

・包括利益と純利益の関係(両利益が想定する資本主の相違

・取得原価基準と結び付く会計情報の質的特性(信頼性のうち検証可能性

・資産除去債務の処理(引当金方式と資産負債両建法式の根本的相違~資産概念と負債概念~
  

■応用力・思考力型タイプの問題例■
・わが国が親会社説を合理的とみる理由(親会社株主と少数株主の「支配」の違い

・親会社説と部分時価評価法の結び付き(親会社部分は投資の清算・再投資、少数株主部分は投資の継続が妥当

・未償却原価と回収可能原価の関係(取得原価基準の下における投資原価の回収計算の異同点、資産価値の相違点

・ファイナンス・リース取引とセール・アンド・リースバック取引のリース資産の測定属性の違い(取得原価か時価基準か、過去の金額か現在の金額か

・固定資産の減損とリース資産の測定属性(いずれも投資の継続⇒いずれも取得原価基準の適用⇒いずれも測定属性は取得時

・セール・アンド・リースバック取引の2つの考え方における利益の実現(投資の清算・再投資では利益は実現しているが、投資の継続では利益は未実現

・売買目的有価証券と事業用固定資産の評価基準の違い(投資の清算・再投資⇒時価基準、投資の継続⇒取得原価基準

・投資の継続と投資の清算・再投資では事業分離後の利益はいかに算定されるのか(原始取得原価と再投資原価のいずれを想定して投資原価の回収計算を考えるかの違い) 



≪監査論の本試験分析と問われている概念≫

監査論は、初日の最初に受験する科目であるため、その際の出来不出来がその後の受験にメンタル的にも戦略的にも大きな影響を与えます。

メンタル的には、監査論の不出来はその後にもネガティブに引きずる恐れがあります。

戦略的には、監査論の不出来は監査論の後の科目で借金を返すために、「攻め」の姿勢での受験を強いられてしまいます。

監査論が出来た場合には、この逆が当てはまります。監査論で、是非、良い流れをつかみたいですね!!

(注)青文字は問われている概念です。

<第1問分析①>概念問題が出題される

論文式の監査論は、例年、第1問では「概念問題」が出題され、第2問では「実務問題」が出題される傾向にあります。

しかし、多くの受験生は、この第1問の「概念問題」を苦手としております。これは「概念問題」は、知識型タイプの問題のように「暗記だけでは乗り越えられない。」からです。「考える力」が問われている以上、普段から、次のような意識を持つことが必要となります。

この論点の上位にある概念は何か? 
例:ニ重責任の原則

その概念の何が問われてのか? 
例:経営者の責任は監査人に転嫁できない。

その概念と結び付く他の概念は何か? 
例:監査人の精神的独立性 


<第1問分析②>論述力が必要

第1問に特有の問題として、答案用紙が長く、ひとつの問が12行を超える問題が数多く出題される傾向にあります。

問題文だけをみると、感覚的に「6行くらいの問題かな?」と思っても、答案用紙をみると、その倍の12行程度あることがよくあります。これは、試験委員が「論述力」を問うているからです。これだけ長い答案用紙は会計科目では珍しいといえるでしょう。

第1問の場合は、問題を読んで、次のことが出来なければなりません。

①「出題趣旨や背景」を考える。

②「問われている概念」を確認する。

③その概念を中心に、「答案構成」を行う。

④「論文を書く際のルール」を守って、実際に答案用紙に解答を書く。

以下、どのような概念問題が第1問で出題されているのかを見ていきます。
(論述力については、別の機会にお話しします)


■概念問題の例■

【問題1】
内部統制がいかに整備改善されても「外部の第三者による監査」の存在意義が失われない理由について,経営者の立場から述べよ。

【解答のポイント】
誤謬や従業員不正は内部統制により防止できるが、経営者不正は内部統制では防止できない。

【問われている概念】
不正と誤謬の違い
従業員不正と経営者不正の違い
内部統制の固有の限界。⇒特にこれが中心

【問題2】
企業の大規模化がなぜ「外部の第三者による監査」の必要性を増大させるのか,その理由。

【解答のポイント】
大規模化に伴い投資者から資金調達が必要。投資者保護のためには、企業内容開示以外に企業内容監査が必要。企業内容監査が必要となるのは財務諸表の信頼性を保証するため。

【問われている概念】
資金調達と投資者保護
企業内容開示と企業内容監査。
財務諸表監査の必要性。⇒特にこれが中心。

【問題3】
「財務諸表は記録と慣習と判断の綜合的表現である」といわれるが、経営者の判断が必要となる具体的事例をひとつ想定し,判断の妥当性を検証する監査手続を説明しなさい。

【解答のポイント】
問題文の「記録、慣習、判断」という言葉から、ここでいう「判断」は、会計上の見積もりのことで、具体例は耐用年数の設定などがある。監査手続は、経営者の見積もりの合理性を検討し、合理的ならば適切、合理的でないならば、監査人も独自に見積もり、監査人の見積もりと経営者の見積もりが許容範囲を超えるかどうかを検討し、越えなければ適切、超えた場合には手続実施上の重要性と比較する。

【問われている概念】
「判断」の意味
会計上の見積もりの監査の基本。⇒特にこれが中心。
手続実施上の重要性


【問題4】
「職業的専門家」であることが要請される理由について説明しなさい。

【解答のポイント】
財務諸表の重要な虚偽の表示を看過しないためには、正当な注意義務の行使と精神的独立性の保持という2つの職業的義務を果たさなければならない。この2つの職業的義務を果たすためには、専門能力と実務経験を備えることが必要。ここの「職業的専門家」であることが要請される。

【問われている概念】
2つの職業的義務(正当な注意義務と精神的独立性保持義務)
専門能力と実務経験の存在意義(役立ち)。⇒特にこれが中心。

【問題5】
不正が,不正な財務報告と資産の流用に区別される理由について説明しなさい。

【解答のポイント】
不正な財務報告は、直ちに財務諸表の虚偽の表示となるのに対し、資産流用は、隠ぺいされた時に初めて財務諸表の虚偽の表示になる。

また、不正な財務報告は、通常、金額的重要性が高いので財務諸表の「重要な」虚偽の表示となるが、資産流用は、金額的重要性が低い場合が多いので「重要な」虚偽の表示にならないことがある。

さらに、不正な財務報告は、経営者不正なので、隠ぺいの程度が高く監査人にとり発見が困難だが、資産流用は、従業員不正の場合が多いので、隠ぺいの程度は低く監査人にとり発見が比較的容易である。

【問われている概念】
不正な財務報告と資産の流用の相違
財務諸表の虚偽の表示の直接的原因かどうか、重要性が高いかどうか、隠ぺいの程度が高いかどうか

【問題6】
監査人が,不正による重要な虚偽の表示がないことに関して得る必要がある保証の性質について説明しなさい。

【解答のポイント】 
監査人は合理的な保証を得る必要がある。この合理的な保証の性質は、絶対的ではないが高い水準の保証である。絶対的な保証ができない理由は、監査に固有の限界があるためである。監査の固有の限界は、財務報告の性質、監査手続の性質などに起因する。

【問われている概念】
合理的保証(絶対ではないが高い水準の保証)
絶対的な保証が出来ない理由(=監査の固有の限界(3つ))

【問題7】
監査人が職業的懐疑心を保持することは,不正な財務報告を識別する上でどのような意義があるか説明しなさい。

【解答のポイント】
誤謬と異なり、
不正は隠ぺいを伴うという性質から、監査人が職業的懐疑心を保持することは特に重要な意義がある。

また、
経営者は、不正な財務諸表を作成できるとともに、内部統制を無効化することができる立場にあるため、従業員不正に属する資産の流用よりも、経営者不正に属する不正な財務報告の方が高度な隠ぺいを伴う。このことから、監査人が職業的懐疑心を一層高めることが求められる。


【問われている概念】
誤謬と不正
従業員不正と経営者不正
内部統制の無効化
隠ぺいと職業的懐疑心

【問題8】
精神的独立性を説明しなさい。

【解答のポイント】
監査基準は、「常に公正不偏な態度を保持すること」を精神的独立性と規定するが、これは精神的独立性の定義を示している。

監査基準委員会報告書は、「
精神的独立性とは、職業的専門家としての判断を危うくする影響を受けることなく、結論を表明できる精神状態を保ち、誠実に行動し、公正性と職業的懐疑心を堅持できることをいう。」と規定するが、これは精神的独立性の監査の諸原則における位置づけ(諸原則の基盤として存在する)を示している。

【問われている概念】
監査基準の精神的独立性(=精神的独立性の定義)
監査基準委員会報告書の精神的独立性(=精神的独立性の位置づけ)

【問題9】
外観的独立性が必要とされる理由を、精神的独立性との関係から導いて説明しなさい。

【解答のポイント】
外観的独立性は、精神的独立性を外側から支えるとともに、精神的独立性に対する疑惑を払拭する役割を果たす。

【問われている概念】
外観的独立性の役立ち:精神的独立性を支える
外観的独立性の役立ち:精神的独立性に対する疑惑を払拭する

【問題10】
外観的独立性に関わる規定が法令に置かれているが、これは監査報告書の利用者の立場からみた場合、どのような意味があるかを説明しなさい。
 
【解答のポイント】
仮に、監査人と投資者が契約当事者であるならば、投資者は監査人が精神的独立性を保持しているかどうかの確認ができる。しかし、財務諸表監査では、監査人と経営者が契約当事者であるため投資者は監査人の精神的独立性を確認できず、監査人の精神的独立性を疑う可能性がある。これでは監査の社会的信頼性が確保できない。

そこで、法令で外観的独立性を定めて、外観的独立性を有する監査人しか監査できないと規定すれば、監査人の精神的独立性に対する疑いを払拭でき、監査の社会的信頼性を確保することが可能となる。

【問われている概念】
監査人と経営者が契約当事者
投資者が監査人の精神的独立性を確認する
精神的独立性に対する疑惑の払拭
監査の社会的信頼性の確保

【問題11】
公認会計士法の大会社等に監査証明業務を提供している監査人が、同一の被監査会社に対して、公認会計士法第2条第2項に規定される業務を、継続的な報酬を受けて提供することを許されるのはどのような場合か。順番に説明すること。

【解答のポイント】
まず、公認会計士が提供する非監査証明業務が、法令で禁止する一定の非監査証明業務に当たらないかどうかを確認する。

次に、法令に抵触しない場合でも、職業倫理に反しないかを検討する。このためには、独立性に関する概念的枠組みアプローチに従って確認することが必要となる。

【問われている概念】
法令に反していないことの確認
一定の非監査証明業務
職業倫理に反していないことの確認
独立性に関する概念的枠組みアプローチ

【問題12】
指導的機能を行使することは、外観的独立性に抵触するおそれがあるとの見解もある。指導的機能を認める立場からは、この見解にたいしてどのように考えるべきか、指導的機能の内容を説明した上で、論拠を示して述べなさい。

【解答のポイント】
(指導機能の内容・意義は省略)
過度な指導機能は、監査人が財務諸表の作成に関与することになり、外観的独立性に抵触するおそれがあるが、それでは自己監査になり、ニ重責任の原則に反してしまう。

しかし、指導機能が批判機能を超えることなく、批判機能に付随したものと捉えるならば、自己監査になることなく、ニ重責任の原則にも抵触しない。

また、適切な指導機能は、財務諸表の重要な虚偽の表示を防止することになり、適正なディスクロージャーを促進し、批判機能と同様に財務諸表利用者の保護に資することになる。

【問われている概念】
過度な指導機能と適切な指導機能
自己監査とニ重責任の原則
重要な虚偽の表示の防止
適正なディスクロージャー
財務諸表利用者の保護

【問題13】
正当な注意と懐疑心との関係。

【解答のポイント】
懐疑心は、正当な注意の一側面で、それに含まれるもの。


【問われている概念】
正当な注意と懐疑心の包含関係


【問題14】
財務諸表監査に対する財務諸表利用者の期待に応えるに当たって、職業的専門家としての正当な注意の行使が持つ意味は何か。


【解答のポイント】
今日、
不正等に起因する重要な虚偽の表示に対する発見機能をもっと強化すべきという財務諸表利用者の監査に対する期待が高まっている。

不正は隠ぺいを伴うという性質があるので、財務諸表に重要な虚偽の表示が含まれている可能性について継続的に疑うという懐疑心が重要となる。

そこで、財務諸表利用者の不正発見に対する期待に応えるためには、懐疑心を正当な注意と別建てして規定し、正当な注意を強化することが必要となった。

【問われている概念】
不正発見の機能の強化
隠ぺいを伴う不正の発見には懐疑心が重要
懐疑心を正当な注意と別建てする
正当な注意を強化する

【問題15】
財務諸表監査の実施に当たって、正当な注意の行使を確保するための方策を2つ挙げ、具体的に説明しなさい。


【解答のポイント】
方策①:専門能力の向上と実務経験等から得られる知識の蓄積
社会の期待に応えるためには、最低限の資格要件を満たすだけでなく、資格取得後の継続的専門研修(CPE)や監査の現場における実務教育(OJTも行い、専門能力の向上と実務経験等から得られる知識を蓄積しなければならない。

方策②:監査の品質管理
個々の監査人や監査チームにより監査の質にバラツキがあってはならないので、監査事務所としての監査業務の質を合理的に確保する(これには意見の審査も含む)とともに、個々の監査業務の質を確保しなければならない。

【問われている概念】
専門能力と実務経験
継続的専門研修(CPE)と監査の現場における実務教育(OJT
監査の品質管理
監査人や監査チームのばらつきをなくす
監査事務所の質の確保と個々の監査業務の質の確保

【問題16】
正当な注意と職業倫理との間には密接不可分の関連性がある。その理由を述べなさい。
併せて、両者には必ずしも関連性はないと考えるとしたときに、その論拠として想定されることを述べなさい。

【解答のポイント】
財務諸表利用者の期待に応えるためには、正当な注意と職業倫理の密接な関連を重視すべきである。正当な注意の行使が、法令や基準・指針に従うことだけで足りるとした場合、法令や基準・指針が最低限のルールでしかないため、財務諸表利用者の期待に応えることが出来なくなる。むしろ、職業倫理を重視して、監査人自身が使命と職責を自覚し、法令や基準・指針を超える規範を自ら定め自ら実施することが、社会の期待に応えることになる。

一方、監査人の法的責任が問われる場合には、正当な注意と職業倫理は関連性がないとみるべきである。法的責任は、法令や基準・指針に従っているかだけで判断すべきであり、自主規制規範としての職業倫理を遵守したかどうかは法的責任と何ら関係しないからである。

【問われている概念】
法令や基準・指針は遵守しなければならない最低限のルール
職業倫理は監査人自身が自ら定めた規範で、法令や基準・指針を超えたもの
監査人の法的責任は、法令や基準・指針に準拠したかどうかだけで判断する
職業倫理は、監査人の法的責任と無関係。 

野坂塾の論文答練では、上記のように論文式本試験を徹底的に分析し、問われている概念を突き詰め、最近の傾向も加味して、本試験の予想問題を提供いたします!! 

 

 
 
ホームページ作り方