●短答式アレンジ問題●
●論文式予想問題●
●論文式本試験問題●

 
(注意)
・以下、財務諸表論における取り扱いを説明致しますが、監査論も同様に考えてください。
・なお、教材見本は、財務諸表論だけでなく、監査論もあります。


◎論文式対策として、次の5種類のアウトプット用の問題があります。

1.一問一答・要点チェック問題
2.一問一答・論点確認問題
3.短答式アレンジ問題
4.論文式予想問題
5.論文式本試験問題

・これらのうち、1と2は別のメニュー「2種類の一問一答問題」で説明しましたので、ここでは、3の「短答式アレンジ問題」、4の「論文式予想問題」および5の「論文式本試験問題」を紹介いたします。
 

短答式アレンジ問題の目的

短答式本試験問題の多くは、論文式の問題作成者と重複します。

短答式の問題のほとんどは論文式の問題のように、趣旨や背景があります。

・したがって、その深さや広がりまで押さえることが出来れば、短答式アレンジ問題を解くことは、論文式対策として非常に有効なのです。

・例えば、論文式本試験において、次のような問題が出題されました。


2014年論文式本試験会計学第4問問2
問題 
近年においては負債の時価ないし割引価値による評価が主張されることもある。これに関連して下記の問に答えなさい。

⑴『討議資料 財務会計の概念フレームワーク』「財務諸表における認識と測定」では,負債について複数の割引価値が定義されている。
このうち自社が発行した社債の市場価格を推定する際に用いられる割引価値の定義を示しなさい。

⑵自社の倒産可能性が前期末より高まった場合に,⑴で定義した割引価値による評価を当期末の財務諸表に反映したとすると,期間利益にどのような影響を及ぼすと考えられるか,簡潔に説明しなさい。
ただし,評価差額を純資産の部に直入する処理については言及しなくてもよい。

・この問題では、概ね次のことが問われています。

・発行社債の市場価格を推定する際に用いれらる割引価値とは、信用リスクを考慮した市場平均の期待価値のことであり、自社の倒産可能性が高まり、市場価格を推定する割引価値が小さくなれば、その差額は債務免除益です。
これは取得者側の貸倒見積高に相当するものです。 

・ところが、3年前の短答式本試験の第1回目の問題4において、類似問題が出題されています。

・この類似問題をもとに作成した短答式アレンジ問題と解答・解説は次の通りです。


 

短答式アレンジ問題第3章問11
問11 
自社が発行した社債を将来の償還額ではなく、決算日の市場価格によって貸借対照表に計上し、その変動額を各期の損益として認識する方法が考えられる。この考え方によると、自社の倒産可能性が高まることで社債の市場価格が前期末よりも下落した場合、簿価(償却原価)と時価の差額が負債の評価益として計上され、純利益が増加(純損失が減少)することになるが、この評価益の本質は何か?また、その根拠は?

解答:発行社債の時価と償却原価の差額

・一種の債務免除益

・社債を発行した後の信用リスクを反映しない償却原価よりも、信用リスクを反映した時価の方が小さい場合、その差額である利益は、債務の返済を一部免れることから得られる利益を意味すると考えられる。

解説  
・時価は、社債発行後の発行体の信用リスクを考慮した市場の平均的期待価値であり、その金額は「返済可能な金額」を表す。

償却原価は、社債発行後の発行体の信用リスクを考慮していない報告主体の主観的価値であり、その金額は「返済しなければならない金額」を表す。

・このように、短答式の過去問は論文式試験対策として非常に有効なのです。

・ただ、短答式過去問それ自体を解くよりは、短答式過去問の趣旨や背景に重点を置いて、深さと広がりを意識して作り変えた「短答式アレンジ問題」の方が、論文対策としてより有効でしょう。 

財務諸表論・短答式アレンジ問題・教材見本はこちらから(第1章)(スマホ可)
►財務
諸表論・短答式アレンジ問題・教材見本はこちらから(第3章)(スマホ可)

       
(注)上記の見本では、一部連結基準改正前の用語(例:少数株主持分)が使用されていますが、実際の教材では、全て改訂しておりますので、ご安心ください。

 ►
監査論・短答式アレンジ問題・教材見本はこちらから(第1章)(スマホ可)

 

論文式予想問題の目的

・短答式試験が主に正確な知識に関する問題が出題されるのに対し、論文式本試験では「応用力」・「論理的思考力」・「現場対応力」・「論述力」が問われます。

・ このような力は、インプットの学習だけでは限界があります。

・受験生の中には、短答式の勉強方法と同様に、会計基準や指針をひたすら読み込む方がいますが、論文式試験では基準や指針それ自体でなく、その「趣旨や背景にある概念」が問われますので、このような学習は効果的ではありません。

・論文式試験に合格するためには、本試験と同様に、問題文から出題者の趣旨や意図を読み取り、重要な概念を中心に論理を組み立てるというトレーニングがどうしても必要となります。

・ 「論文式予想問題」は、「応用力」・「論理的思考力」・「現場対応力」・「論述力」を養うことを目的とした問題集です。

・例えば、負債に関する問題を一部抜粋してみます。

 

論文式予想問題
問題 
仮に、発行した社債を時価により評価した場合、償却原価と時価の差額で利益が計上されるとする。この場合、貸借対照表に計上される時価の金額や損益計算書に計上される利益は、いかなる数値を意味するのか。(5行)

【コンセプト(問われている概念)】

負債である社債を時価で評価した金額と償却原価で評価した金額の差額は、「債務免除益」を意味する。

【出題意図】   
・負債である社債を時価で評価した金額と償却原価で評価した金額の差額は、債務免除益を意味するという、少し応用的な問題である。

・難易度は少し高い。
 

・時価は社債を発行した後の発行体の信用リスクを反映した金額(市場平均の期待価値)だが、償却原価は社債を発行した後の発行体の信用リスクを反映していない金額(報告主体の主観的価値)なので、その差額は債務免除益を意味する

【解答】(難易度中~高)
市場の平均的期待価値を表す時価で社債を評価した場合、その金額は、社債の発行体の信用リスクを反映した返済可能な金額を意 味する。一方、償却原価で社債を評価した場合、その金額は、社債を発行した後の信用リスクを反映しない金額を意味する。 

・したがって、
償却原価よりも、信用リスクを反映した時価の方が小さい場合、その差額である利益は、債務の返済を一部免れることから得られる利益である債務免除益を意味することになる。

・ なお、実際の問題集では、【問われている概念(コンセプト)】、【出題意図】、【解答】以外に、【答案構成】もありますが、ホームページ上は、スペースの関係で省略しております。 なお、下記の教材見本には、これらのすべてが網羅されております。

► 財務諸表論・論文式予想問題・教材見本はこちらから(第3章)(スマホ可)
    
監査論・論文式予想問題・教材見本はこちらから(第1章)(スマホ可)



論文式本試験問題の目的
 
・論文式試験において過去問を解くことは、非常に大きな意味をもちます。

・というのは、近年の本試験では、重要な概念(例:投資の行動、リスクからの解放、一取引と二取引など)が繰り返し出題されるからです。

・2014年に行われた本試験でも、例えば第三問の問題2のリース取引では、次のような問題が出題されていました。 

 

2014年論文式本試験会計学第3問の問2
問2 
(1)ファイナンス・リース取引に係るリース資産およびリース債務の当初認識時の測定については,①リース料総額の割引現在価値を重視する考え方と,②貸手の購入価額または借手の見積現金購入価額を重視する考え方がある。それぞれの考え方について説明しなさい。
 

・ この問題では、ニ取引で考えて、リース債務は「ファイナンス取引」(金融取引・資金調達取引)から生じ、リース資産を「リース取引」(事業取引・物件の購入取引)から生ずるとみることが問われています。

・①はファイナンス取引と見る貸方側(資金の調達)の視点、②はリース取引と見る借方側(物件の購入取引)の視点です。

・年度により比率は異なりますが、論文式試験の50%~70%は過去に出題された概念が問われています。

題材までそっくりなこともありますし(2014年の本試験問題第3問・問2・(2)の「のれんの償却と行わない問題点」)、題材は別のものが選ばれる事もあります(今年の本試験問題第3問・問2・(1)の「リース債務とリース資産の評価」)。

・したがって、論文式試験においては、過去問を徹底的に分析することが非常に重要なのです。



論文式本試験問題の内容


・過去問の論文問題を解く際に気をつけて欲しいことは、模範解答が信頼でき、解説が詳しい問題集を選ぶことです。

・出題の趣旨や背景、問われている概念などが間違っていたり、あいまいでは過去問を解く意味が無くなってしまうからです。

・ 野坂塾の論文式本試験問題集では、論文予想問題と同様に、【問われている概念(コンセプト)】、【出題意図】、【解答】、【答案構成】 を載せております。

・一例をあげてみます。

論文式試験本試験問題

問1 

業用固定資産を第1年度の期首に100で取得し、この資産から得られる期待キャッシュ・フローは、第1年度40、第2年度30、第3年度35、第4年度20、第5年度15である。このキャッシュ・フローを割引率4%で割り引いた割引価値は126.74となる。 

126.74100の差額26.74は何か。(3行)

②この差額を貸借対照表の資産に計上する長所と短所を、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」における「会計情報の質的特性」の考え方を踏まえて説明しなさい4行)

【問われている概念(コンセプト)】

自己創設のれんは、事業資産の市場平均の期待価値(時価)より報告主体の主観的価値(利用価値)が大きい場合の超過額である。

自己創設のれんの計上は、意思決定関連性に整合するが、信頼性(特に中立性と検証可能性)に反する

【出題意図】     

・①では、自己創設のれんが事業用固定資産から生ずること、自己創設のれんは市場平均の期待価値(時価)と報告主体の主観的価値(利用価値)の差額であること、事業資産の取得原価は取得時の時価を反映していることが問われている。

・②では、自己創設のれんの計上の長所と短所が会計情報の質的特性の観点から問われている。

・自己創設のれんは、企業価値の評価と将来の投資の成果の予測に関連する情報を提供するため意思決定関連性を有しているが、その計上は経営者に偏るため信頼性のうちの中立性に反するとともに、主観的な測定となるため検証可能性に反する。

【解答】(難易度:①は中、②は高)
   
①この差額26.74は、自己創設のれんである。自己創設のれんは、事業用固定資産の取得時の時価(市場平均の期待価値)より利用価値(報告主体の主観的価値)の方が大きい場合、その超過額により算定される。本問の場合、100が取得時の時価、126.74が利用価値である。

 

②自己創設のれんを資産に計上する長所は、投資者が企業価値を評価し、将来の投資の成果を予測することに役立つので、意思決定関連性に有用という点にある。一方、自己創設のれんを資産計上する短所は、自己創設のれんの計上が、経営者による自己申告・自己評価であるため信頼性に含まれる中立性に反するとともに、主観的でもあるため信頼性に含まれる検証可能性に欠けるという点にある。

 

     
・なお、実際の問題集では、【問われている概念(コンセプト)】、【出題意図】、【解答】以外に、【答案構成】もありますが、ホームページ上は、スペースの関係で省略しております。ただし、下記の教材見本には、【答案構成】も含め、全てが網羅されております。

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